丹前ていつからあるの

長男Aが先週末から風邪気味。
『早く寝なさい』と言っても、『世界まる見え!テレビ特捜部』が見たいと言うので、押入れからゴソゴソとここ1,2年使っていなかった『丹前』をかけてあげた。
身体にフィットする感じ、綿が入っているモコモコ感。
長男Aはすっかり気に入って、昨日、今日と丹前にくるまって『ふかふかして、気持ちいい〓』と言って寝ている。
お陰で、風邪もこじらせないで済みそうだ。

寝る間際に『丹前っていつからあるの〓?』と聞くので、えっと、着物っぽいのを着てたのは、平安?や、奈良時代から着てたから思わず『708年位かな?』と答えた。
『そんな昔からあるんだ、すごいね〓。』と感心して寝てしまった長男A。

さて、実際に丹前はいつからあるのか調べた。

その前に、私は大きな間違いをした。
奈良時代は708年からと思い込んでいたのだが。
708年 日本最古の通貨、「和同開珎」作られる
710年 奈良時代のはじまり
でした!とんだ間違い。

学生の時には、奈良、平安、鎌倉、室町、江戸の各時代の始まりは、絶対将来忘れないだろうなんて思っていたが、既に老化現象は始まっている・・・

丹前は、実は、江戸時代に始まったものでした。

すごい人のサイトを見つけちゃった。
男のきもの大全
子供のときに試しに着た着物の感触が忘れられず、着物を普段着にしている方。
しかも私と同じ年代で、仕事もコンピュータSEさんですって!
なんて粋なんでしょう!着物姿の写真も素敵です。

こちらに、丹前の由来が出てました。
以下引用です。

丹前は、江戸初期、湯女風呂(今のヘルスの元祖?)がブレイクした頃に、神田の掘丹後守の屋敷の前に出来た「丹前風呂」って湯女風呂がありまして、そこに集まる男伊達(遊び人)達の間でドハデなファッションが流行ったんですね。で、この男達が着ていた服装を「丹前」と呼ぶようになったんです。では、なんでそんなファッションが流行ったかと言うと、この「丹前風呂」に「勝山」っていう超売れっ子の看板湯女がいて、彼女が人と変わった格好が好きだったため、目を引こうと男達が競い合ったというわけです。多分その頃の丹前は現在のものとはかなりイメージが違うものでしょう。この辺のくだりは、井原西鶴の「好色一代男」にも描写が出てきます。「丹前風呂」というのは多分、丹後守の屋敷の「前」にできたから、「丹」+「前」=「丹前」としたのだと思われます。要するにファッションヘルスのお店の名前が和服の名称になっちゃたわけですな。(^_^; 日本人もいろんな歴史を作ってくれますね。

まぁ!ちょっと子供には教えられない内容ですが、丹前てすごいところが発祥なんですね。
遊び人のドハデなファッションが、日本人を暖め、やすらぎをもたらす寝具となるんですから。
ん〓、江戸時代って、本当に遊び(いい意味も、悪い意味も含めて)から文化が生まれてますねぇ。
浮世絵や、井原西鶴の「好色一代男」のような庶民文学。
からくり人形なんかも面白い。

今は、海外からどんどん色んなモノや、情報が入る時代。
再び今の時代に鎖国をしたら、どんな日本文化が生まれるでしょう?
な〓んてことを考えたら、不謹慎よねぇ。

今93歳の祖母が、昔は丹前に綿を入れて作ってくれました。
作ってくれた時に、もっと感謝しておくんだった。
今はちょっとボケていて、感謝してもわからないかも。
ネットで手作り丹前を販売しているところを見つけて値段を見たら、28,000円だった。
祖母は丁寧に作ってくれたから、本当に高価で貴重なものだったのだ。
祖母の手作りの丹前は、もうボロボロになるまで使ったので、今は残ってないわ。